医療保険制度改革(オバマケア)代替法案撤回。果たしてトランプ政策に期待していいのだろうか。

先週は、23日(木)の医療保険制度改革(オバマケア)代替法案が注目されました。
これは、トランプ大統領の主要政策であるため、この法案を議会で通すことができるかどうかが、注目されたわけです。

もし、これを通すことができれば、
今後、税制改革などの主要政策を通すことができるだろうという見方につながるからです。

しかしながら、下院は、代替法案に共和党議員の間で十分な支持を確保できなかったため、採決を延期することとなりました。

そして、注目された24日(金)。

しかし、トランプ米大統領は24日、同日午後に予定されていた医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の下院採決について、可決の見込みが立たなかったことから、共和党指導部に取り止めるよう指示しました。

アメリカ議会とトランプ大統領

これらの動きを見ると、
「アメリカ議会は、トランプ大統領の思うようには動いていない」と見ることができます。

振り返ると、これまで、トランプ大統領の政策期待で大きなドル買いへと推移してきていましたね。
11月の大統領選挙で当選して以来、ドル買い株高が進んだことは、チャートを見れば一目瞭然です。


(103円台くらいだったドル円が、当選後ぐんぐん上昇し、一時118円台まで!)

しかし、今回のオバマケア代替法案のように、トランプ氏の政策がアメリカ議会を通らないことになると、「今後じゃ、別の法案も実行できないのではないのか?」という不安が出始めます。

トランプ大統領の政策は、
アメリカの景気回復が加速することが想像されるものだったので、ドルも大きく買われてきたのですが、議会を通せないとなると、見方を変える必要があるのです。

トランプ政権への期待が大きい

しかし、現在のトランプ大統領への見方はどうでしょうか。

市場ではトランプ政権が医療保健問題に完全に手足を縛られ、身動きできなくなるのではないかとの懸念が出ていた。医療保健問題がこうした形でクリアされたことで、規制改革や減税などそれほど複雑ではなく実行可能な案件に着手できると、市場では楽観的な見方が出ているのではないか。
これほど複雑で大きな費用が絡む案件が棚上げにされたことはプラス方向の動きのように見える。今後、減税のようにそれほど難しくない案件に歩を進めることができる。
ロイターより引用

ロイターの記事の<ウェルズ・ファーゴ・アセット・マネジメント(ボストン)のシニアポートフォリオマネジャー、マーガレット・パテル氏>
の見方として紹介されていたのですが、

オバマケア代替法案が採決延期となったことでプラスに作用するとの見方をしているのです。

3月24日(金)のドル円も、20銭ほど上昇しましたから失望よりもまだまだ期待の方が大きいということです。

思い出されること

僕は、この状況から、思い出されることがありました。

それは、日本の黒田総裁が異次元の金融緩和策を発表した時のことです。

あの時、多くのプレイヤーが、黒田総裁に期待し、「黒田バズーカ」と名付けられた金融緩和策は、ドル円を大きな円安へと導きました。

第1弾、第2弾、第3弾と、サプライズを武器にして、市場を大いに沸かせました。

しかし、現在は、異次元の金融緩和策は効果を発揮することなく、日銀に溜まっている準備預金はすごい額になっているといいます。

もう自力ではどうしようもないレベルまできている。
日本のデフレ脱却は、もはやアメリカ頼みといえる状況です。

この状況と、現在のアメリカは、同じような道を辿っていくのではないでしょうか。

期待だけが先行し、失敗したとしても、プラスに捉える意見が出る。
そして、その期待が徐々に失望へと変わっていく。

どうやら、人間は期待するところに対しては、プラスに見るクセがあるようです。期待があるとネガティブな要因であっても、”後のプラスにつながる”とする見方をするクセがあるのです。

そう考えると、トランプ大統領の政策が、今後も議会を通らない状況も十分に想定する必要がありそうです。人間のやりがちな失敗を少なくすることがトレードで負けない秘訣ですからね。

ABOUTこの記事をかいた人

ドル円、ユーロ円、ユーロドルの専門です。テクニカル分析『ポイント&フィギュア(P&F)』を使って、チャートを分析し、裁量トレードをしています。ブログでは、日々の分析結果をアップしています。