2016年9月21日に発表された日銀の新たな金融政策は、失望する内容と言える

新たな金融政策を発表

どうも、川相有高(@woddy3)です。

9月の金融政策決定会合では、これまでの総括的検証を踏まえて、新たな金融政策を発表しました。
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総括的な検証からの新たな金融政策

黒田総裁が就任したのが2013年4月。この時、2年で物価上昇2%という数値を掲げて、大規模な金融緩和策を発表していきました。

当初は、このような期間や目標を具体的な数値で示す、分かりやすい金融政策に、市場は好感し、円安、株高へと推移しました。

しかしながら、これは長くは続かず。

結局、3年半が経過した、2016年9月の時点で、新たな金融政策を発表することになったのです。

ちなみに、これまでの総括的な検証の内容については、次の記事をご覧ください。

2016年9月21日に発表された日銀の総括的な検証。その内容について。

2016.09.26

新たな金融政策

新たな金融緩和策は、次の2点です。

  • 長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」。
  • 消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針 を継続する「オーバーシュート型コミットメント」。

この発表を受けて、ドル円は円高になったかと思えば、その後円安に動き出し、しかし、それも長くは続かず、再び円高基調になりました。

黒田総裁の会見

黒田総裁の会見では、記者から次のような質問が出ています。

「これは、テーパリングに向けた動きなのか?」という質問です。

テーパリングとは、量的緩和を縮小させるという意味です。つまり、黒田総裁は、就任以来、量的緩和策を推し進めてきたけど、今回のこれまでの検証を踏まえた発表内容をみると、”量的緩和策の縮小に向けた動き”に思えるが、どうなのか?ということです。

これに対し、黒田総裁は「テーパリングでは全くありません」と断言しました。

このやりとりからわかることは、会見に出席している記者ですら、「緩和策なのか、テーパリングに向けた動きなのか、はっきりわからない」ということです。

つまり、今回の発表内容が、本当にわかりにくいもので、尚且つ、その効果があるのかどうかもわからないということを示していると思います。

今回の金融政策の内容からわかること

黒田総裁は就任以来、具体的な数値や期間を示してきたことで、非常にわかりやすい金融政策を実施してきました。

しかし、今回の内容は、そういう具体的な数値がなくなったといえます。

例えば、これまでは年間80兆円ペースでの国債の買い入れという感じで、具体的な数値を示していたのが、今回の「イールドカーブ・コントロール」では、概ね80兆円を目処とすると言っているものの、減少する可能性も出てきています。

つまり、枠の撤廃といえそうです。

そして、これまでは、「2年で2%の物価上昇」のように、期間と目標を明確に示していたのが、「安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで」というように、期間があやふやな表現になっています。

これらのことからわかることは、具体的な数値をつかって、わかりやすく進めてきた金融政策から、具体的な数値をぼかしたわかりにくい金融政策へと変わってしまったと言えそうです。

まとめ

このようにぼかしてその場をしのいだ形となった金融政策は、とても早期に2%の物価上昇を実現してくれるものではないことだけは確かでしょう。

長く続く、日本のデフレ経済。まだまだ先は長そうです。

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ドル円、ユーロ円、ユーロドルの専門です。テクニカル分析『ポイント&フィギュア(P&F)』を使って、チャートを分析し、裁量トレードをしています。ブログでは、日々の分析結果をアップしています。