2017年為替相場の見通しについて。ドル買いは続くのか。

パニック売りの2016年

どうも、川相有高(@woddy3)です。

2016年の為替相場を振り返ると、「パニック売り」という言葉がぴったりくるような、そんな相場だったように思います。

中国

年明けそうそうの1月4日(月)には、この日に導入された中国のサーキットブレーカー制度が発動され、それが余計にパニックを呼ぶ流れになりました。

イギリス

そして、6月24日(金)、英国が国民投票の結果、EUを離脱することになったのです。この時は、ドル円は、106円から99円へ。一気に約7円も円高になりました。

ポンド円は、朝に160円台を挟んだ展開でしたが、投票結果が出た13時過ぎには133円台へと、約27円の下げを記録したのです。

英国、EU離脱!離脱までの雰囲気と為替相場の変動まとめ

2016.12.03

アメリカ

最後に、アメリカの大統領選挙です。
クリントン氏が優勢とされた大統領選挙では、予想外のトランプ氏の当選となりました。

結果が判明したのは、11月9日(月)の午前中。

この日のドル円は、105.15円から、一時は101.19円まで下げました。

しかし、ニューヨーク時間では上昇に転じ、終値では105.82円まで記録するという荒れた展開でした。

予想外のトランプ氏と為替の値動き。ドル円買いシグナル点灯!

2016.11.10

結局、11月からは、トランプ氏への政策の期待から、ドルが買われ、ドル円は12月には118円台後半まで一方的な上昇を見せることとなりました。

大きなもので見ると、この3つが為替相場をパニックにさせた出来事です。

日本の金融緩和策

一方、日本でも日銀の金融緩和策が市場を動かしました。

2013年に就任した黒田日銀総裁は、具体的な数値を用いて、わかりやすい金融緩和策を発表することで、市場はこれを好感し、株高、円安へと動いてきたのです。

しかしながら、その金融緩和策の効果について、市場は徐々に疑い始めたのです。

現に、2016年は、日銀が発表する金融緩和策に市場は反応しなくなったのです。

2016年9月21日に発表された日銀の新たな金融政策は、失望する内容と言える

2016.09.27

日銀、打つ手なし!

これが現在の市場の見方ですね。

日銀の金融政策にずっと注目してきた僕が、黒田総裁の今の本音を解説します。

2016.12.10

ドル円の1年間の値動き

ドル円は、1年間の値動きをまとめると、
始値120.20
高値121.68
安値99.05
です。

で、年末の今が117円台前後。

120円で始まったドル円が、6月のブレグジットで、一時99円台まで下げ、11月に米大統領選挙に当選したトランプ氏への期待で118円台まで戻した

というのが、1年間の値動きのまとめです。

2017年の中心はアメリカ

このような2016年の流れを踏まえて、2017年はどのような値動きが起こるのかを考えたいと思います。

値動きの中心は、アメリカ。
もちろん、他の国の状況も影響はあるとは思いますが、もっとも大きく動く要因になるのはアメリカになると思っています。

2016年11月上旬からのドル買い

2016年11月上旬(トランプ氏の大統領選挙の当選)から、ドル買いがどんどん進んでいますが、これは2017年へのアメリカ経済への期待から買われているものです。

トランプ氏への政策は、景気回復を早めるとの見られているからですね。

そもそもトランプ氏の政策が、これまでとどう違うのかというと、

これまでアメリカは、金融政策を中心に景気回復を図っていたのですが、トランプ氏になると財政政策が中心となるということです。

金融政策から財政政策へ。どういうことなのか、シンプルに理解しましょう。

2016.12.09

この財政政策が、景気回復を早めることになるということなのです。

財政政策へのリスク

現在は、財政政策が景気回復を早めるとの期待から、ドル買いがどんどん進んでいますが、リスクはないのでしょうか。

これについては、12月12、13日のFOMCのイエレン会見要旨にヒントがあります。

第一に、FRB(アメリカの中央銀行)は、高圧経済を望まないというスタンスであることです。高圧経済とは、供給能力よりも需要が上回り、投資などが活発化してさらに需要圧力が高まる傾向にある経済のことです。

ぱっと見、非常にバブリーで景気のいい雰囲気がしますが、
これは、インフレになる危険性も併せ持っています。

FRBは後手に回らないように、景気回復に先回りして利上げをしていく必要があります。それは、インフレリスクを回避する為です。

しかしながら、トランプ次期大統領のいう財政政策が実施されるならば、高圧経済に向かう流れになると考えられますから、FRBが利上げのタイミングを間違えれば(利上げが遅れることになると)、深刻なインフレになるという危険性も高まるわけです。

FRBが金融政策で景気を操縦できない、そんな状態になってしまうかもしれないということです。

つまり、FRBからすると、今もゆっくりとしたペースで景気回復に向かっているのですから、大胆な財政政策は必要ない、というスタンスなのです。

また、雇用という側面からでもそうです。労働市場も今、安定をしてきているのに、これのために大胆な財政政策を実施するのは明らかに不要と言っています。

このようにFRBは、大胆な財政政策は不要であることを強く主張しているのです。

アメリカの状況まとめ

次期大統領のトランプ氏の財政政策への期待が大きく、2017年は利上げペースも上がることが予想されています。

これが強いドル買いにつながっています。

しかしながら、FRBの立場から見れば、
「トランプ次期大統領の政策によって、今後の米経済はインフレリスクが高くなっていく」
という捉え方です。

利上げペースが上がるというよりは、インフレを避けるために、利上げのペースを上げざるを得ないということでしょうか。

これが遅れてしまえば、たちまちインフレを迎えることになるリスクがあるということです。

2017年のポイント

2016年11月からの強いドル買いは、2017年も続くのかどうかというのがポイントです。

ただ、よく考えて欲しいのは、このドル買いは、

まだ始まっていないトランプ政権への期待感

からのドル買いだということです。

まだ始まっていないトランプ政権への期待。

未来への期待は、時にリスクを忘れさせてしまうことがあります。

振り返れば、日本では、日銀の異次元の金融緩和政策は、黒田バズーカと称され、その期待感から、ドル円が上昇に上昇を重ねました。

しかしながら、今となっては、「日銀打つ手なし」という状況。市場参加者は日銀の金融緩和策に全く反応しなくなったのです。

これは、期待で大きく動き、現実に失望したケースだといえます。

トランプ氏の期待は、実際のトランプ政権が始まった時、どのように動くのか。失望が起こる可能性も十分に考えておきたいところです。

ABOUTこの記事をかいた人

ドル円、ユーロ円、ユーロドルの専門です。テクニカル分析『ポイント&フィギュア(P&F)』を使って、チャートを分析し、裁量トレードをしています。ブログでは、日々の分析結果をアップしています。